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シリコナイズ

シリコナイズは、近代的なセラミックマトリックス炭素繊維強化複合材料の製造における重要なプロセスです。これらの複合材料は高熱安定性、高熱伝導性、低密度、高耐摩耗性といった大変優れた材料特性を有しています。

これらの特性により、C/C-SiC複合材料は高温かつ強酸化雰囲気で使用される材料として選択されます。例えば、ミサイルの羽根、スポーツカーのブレーキパッド、防弾ベスト、宇宙船のノーズキャップ(大気圏再突入用)に使用されます。

これら複合材料の主要な製造プロセスが、多孔質C/Cに液体シリコンを浸潤(LSI)させる工程であるシリコナイズです。LSIは化学気相浸潤法と比較して、高コストパフォーマンスで迅速な製造工程です。カーボライト・ゲロのHTBL GR真空昇降炉はこの用途に使用できます。

炉内では熱処理の間に多孔質C/C材料の上部のシリコンが融解し、材料の細孔に拡散します。カーボンマトリックスとシリコンが反応することでSiCができ、これによりお互いに隔離されたC/Cセグメントを有した高密度材料が生み出されます。

全周アクセスが可能なHTBL電気炉はこのアプリケーションに非常に有利です。自動ソフトウェア制御により無人運転を可能にし、厳密なデータログを保証します。

HTBL 80 GR/22-1G:容量80L、最高温度2,200℃で運転可能なシリコナイズ用真空昇降炉です。下部はフルアクセスできるように拡張されています。

HTBL 80 GR/22-1G:容量80L、最高温度2,200℃で運転可能なシリコナイズ用真空昇降炉です。下部はフルアクセスできるように拡張されています。

カーボライト・ゲロによる熱分解とシリコナイズ設備

右の写真はカーボライト・ゲロで構成された、熱分解とシリコナイズの両方を行う設備です。1台のユニットが炭素材料の熱分解工程を担当します。熱分解は分圧モードでおこなわれます。これは炉内圧力の合計が大気圧を下回っていることを意味します。同時に、不活性ガスが炉内にパージされます。

バインダー除去に使用される典型的な温度は400℃から600℃の間です。この温度範囲では、温度と低圧力の組み合わせによりバインダーは蒸発します。バインダーは高温ガス排出口への定められた経路に向かい、真空ポンプで炉の外へ吸引されます。ゆえに真空ポンプはバインダーの吸引に耐えられる特別なオイルポンプです。最後に、バインダーは圧縮空気とプロパンガスで駆動するアフターバーナーにより焼却されます。

2台めのHTBL型電気炉はシリコナイズをおこなうために使用されます。シリコンの融点は1,414℃です。この電気炉は最高温度2,000℃で運転できるよう設計されています。これらの写真は工場受入試験時におこなった材料のシリコナイズ前と後のものです。

HTBLシリコナイズ用電気炉にはルーツポンプを前段に持つ、前真空ポンプユニットが装備されています。この電気炉は利用可能なスペース内部の温度分布を向上させるために3ゾーン加熱をおこないます。

これら二つの電気炉はお客様の製造エリアにスムーズに導入されました。

お客様に納品された2台のHTBL 80 GR/22-1G電気炉の様子。1台のHTBLは熱分解の工程に使用され、もう1台はシリコナイズ処理に使用されます。

お客様に納品された2台のHTBL 80 GR/22-1G電気炉の様子。1台のHTBLは熱分解の工程に使用され、もう1台はシリコナイズ処理に使用されます。

ルーツポンプ

ルーツポンプは中真空域までの排気に使用されます。特別なオイルポンプは分圧下でのバインダー除去工程をおこなうために使用されます。ポンプユニットは独立した架台に取り付けされています。

シリコナイズ - 図 4

シリコナイズ前の元位置にある羽根:羽根はグラファイトロッドに対して直角です。グラファイトロッドはお互い平行です。次の写真はシリコナイズ後の同じるつぼの写真です。

シリコナイズ - 図 5

前の写真と同じるつぼのシリコナイズ後のものです。いくつかの羽根は元位置からずれています。

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カーボライト・ゲロでは、3000℃までの炉やオーブンを幅広く提供しています。


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